ジュラ紀後期、湖のはとりにあるセコイアのしげった森林地帯には、ブロントサウルスと呼ばれる、体重が30トンに近くもある恐竜がいました。(現在はアパトサウルス(Apatosaurus)と呼ばれています。)ブロントサウルスの学名は、「雷竜」という意味ですが、この恐竜が歩いたとき、きっと落雷のような音がしたにちがいないというところから名づけられました。
雷竜というこわそうな名前ですが、それに反して、ブロントサウルス自身は気がやさしく、もっぱら植物をムシャムシャと食べて生活していました。
子供を連れて食べ物をとる為に森林地帯に入った親は、立ち木に前足をのせて体重をかけ、メリメリとたおして、背の低い子供が葉を食べやすいようにしてあげるそうです。よそへ移動する際には、群れの中央に子どもを置き、肉食性の恐竜に襲われても、強い親が円陣を作り子供を守るなど、とても愛情深い恐竜なのです。
もちろん、巨大なブロントサウルスは、肉食恐竜に絶えず狙われていたと考えてよいでしょう。その避難場所が湖でした。恐竜が湖に入るのは、その他にも重要な理由がいくつかありました。皮膚にたかったダニのような寄生虫をとりのぞいたり、太陽熱で暖まり過ぎた体を冷やしたりしました。
そして、気温が低くなる夜間、温かい水中で、のんびりと寝ていたということも十分に考えられます。水は温かいばかりではなく、巨大な体に浮力をつけて重量を軽くするので、最適な寝床だったのかもしれません。
ブロトサウルスと同じ仲間に、ブラキオサウルスという恐竜がいます。ドイツのヤネンシュ教授によって、アフリカ・タンザニアのテンダグルから発掘された体重80トン前後の恐竜は、なんと鼻の穴が、クジラやイルカのように頭のてっぺんに開いていました。だから、水面に頭の一部を出すだけで、呼吸することが出来たというわけです。それは、ブロントサウルスも同じだったのです。